まず確認したいこと

数値の話に入る前に、いまの状態を少しだけ振り返ってみましょう。「湿度を数字で見ているか」「どの部屋・どの時間帯か」「続いているか」の3点です。

湿度を数字で見ているか

部屋に湿度計はあるでしょうか。エアコンのリモコンや加湿器、置き時計に湿度の表示がついていることもあります。

「乾いている気がする」という感覚だけで加湿を続けていると、足りているのか、やりすぎているのかがわかりません。まず数字を見られる状態にするのが、この記事の出発点です。

どの部屋・どの時間帯に気になるか

湿度は部屋ごと、時間帯ごとに変わります。気になる場所と時間がわかっていれば、測る場所と時間も決まります。朝の喉が気になる方は「朝起きたら喉がイガイガするときの考え方と寝室の工夫」もあわせてどうぞ。

続いているかどうか

湿度を整えても変わらず続いている場合については、記事の後半で触れます。

部屋の湿度の目安

ここでは、厚生労働省が公表していて出典を確認できる数値だけを紹介します。

出典

示されている相対湿度

どんな場面の数値か

厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」

40%以上70%以下

事務所・店舗・学校など、一定規模以上の建物を管理するための基準

厚生労働省「インフルエンザQ&A」

50〜60%

乾燥しやすい室内で、加湿器などを使って保つ湿度として案内されている数値

建築物の管理基準では40%以上70%以下

厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律にもとづく基準です。建物の居室について、相対湿度を40%以上70%以下にするよう定めています。

対象は事務所や店舗、学校などの大きな建物で、家庭の部屋に向けた決まりではありません。それでも、人が長く過ごす室内の湿度について公的に示された幅として、参考にしやすい数値です。

乾燥しやすい室内では50〜60%という案内もある

厚生労働省は、冬の体調管理に関するQ&Aのなかで、乾燥しやすい室内では加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保つことを案内しています(出典: 厚生労働省「インフルエンザQ&A」)。

数値はあくまで部屋を見るための目安

ふたつの数値は、どちらも喉の違和感のために決められたものではありません。この範囲にすれば喉の乾きを感じなくなる、という意味でもありません。

感じ方には個人差があり、同じ湿度でも気になる人と気にならない人がいます。数値は「自分の部屋がいま乾いた側なのか、湿った側なのか」を知るための物差しとして使ってみてください。

喉の痛み・咳・熱っぽさ・声のかすれを伴っているときは、この記事の範囲ではありません。湿度の調整で様子を見続けるより、専門家への相談を考えてみてください。

湿度の測り方

目安の数字がわかったら、次は自分の部屋を測ってみましょう。湿度計は、置く場所と見るタイミングで数字が大きく変わります。

湿度計を用意する

湿度計は、針のアナログ式でも数字のデジタル式でもかまいません。毎日目に入る、見やすいものを選ぶと続けやすくなります。

置き場所を決める

湿度計は、次のような場所を避けて置きます。

  • 加湿器の吹き出し口の近く(実際より高く出やすい)

  • エアコンや暖房の風が直接あたる場所(実際より低く出やすい)

  • 直射日光のあたる窓辺、冷えやすい窓際や外壁のそば

そのうえで、自分が長く過ごす場所の、顔に近い高さに置くのが基本です。

見るタイミングを決める

湿度は一日のなかで動きます。

見るタイミング

わかること

朝起きたとき

寝ているあいだの寝室の状態

冷房・暖房をつけてしばらくたったとき

空調を使っているあいだの部屋の状態

毎日同じタイミングで見るようにすると、日ごとの違いを比べやすくなります。

数字をメモしておく

湿度の数字と、そのときの喉の感じを並べて書くと、自分にとって気になりやすい条件が見えてくることがあります。

記録のつけ方は「鼻の調子を「記録する」という習慣」も参考になります。

測った数字を部屋の工夫につなげる

測ってみて、目安より低い日が多いのか、高い日が多いのか。それによって、次に試すことが変わります。ここで紹介するのは体の変化を約束するものではなく、部屋を整えるための選択肢です。

目安より低い日が続くとき

  • 加湿器を置く、置いている場合は運転の強さや置き場所を変える

  • 濡らしたタオルや洗濯物を室内に干す

ひとつ試したら、湿度計の数字がどう動いたかを見てみてください。数字で確かめられるのが、湿度計を置くいちばんの利点です。うるおいを保つ方法は「空気の乾燥と鼻のムズムズ:うるおいを保つ工夫」でも紹介しています。

目安より高い日が続くとき

  • 加湿器を弱める、または切る

  • 窓を開けて空気を入れ替える、換気扇を回す

  • 部屋干しの量を減らす

数字は目安の範囲なのに喉が乾くとき

湿度計の数字は目安の範囲に入っているのに、喉の乾きが気になることもあります。その場合は、湿度以外のところに目を向けてみてください。

風が顔にあたっていないか、飲み物を手元に置いているか、長く話し続けていないか。部屋の温度と湿度の関係については「部屋の温度・湿度と鼻づまりの関係」でも触れています。

気になる状態が続くときは

湿度を目安の範囲に整えても何週間も続いている、部屋を離れても違和感が残る、痛みや咳を伴うようになった——。

そんなときは自分だけで判断せず、耳鼻咽喉科などの専門家に相談することを考えてみてください。受診を考える目安は「鼻の不調が長く続くときは:受診を考える目安」にまとめています。

よくある質問

Q. 部屋の湿度は何パーセントくらいを見ておけばいいですか?

喉の乾きのために決められた数値はありません。参考にできる公的な数値として、厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」が定める相対湿度40%以上70%以下、同省の「インフルエンザQ&A」が乾燥しやすい室内について案内している50〜60%があります。感じ方には個人差があるので、目安として使ってください。

Q. 湿度計はどこに置けばいいですか?

加湿器の吹き出し口の近く、エアコンや暖房の風があたる場所、直射日光のあたる窓辺は避けます。そのうえで、自分が長く過ごす場所の、顔に近い高さに置くのが基本です。

Q. 湿度は高いほどよいのですか?

そうとは言えません。厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」でも70%以下という上限が定められています。上げすぎると窓や壁の結露につながるので、湿度計を見ながら調整してみてください。

Q. 湿度は目安の範囲なのに、喉が乾きます。

湿度だけで喉の感じ方が決まるわけではないようです。風が顔にあたっていないか、飲み物をこまめに口にしているかなど、湿度以外のところも見直してみてください。続く場合は専門家への相談も考えてみましょう。