まず確認したいこと

書き始める前に、記録に何を期待するかを少しだけ整理しておきましょう。「何のために書くか」「いま思い出せることは何か」「続いているか」の3点です。

何のために書くか

記録をつけたからといって、喉の調子そのものが変わるわけではありません。記録は自分の状態を知るための行動です。

この線引きを最初に持っておくと、「書いているのに変わらない」と落ち込まずにすみます。鼻の記録について書いた「鼻の調子を「記録する」という習慣」でも、同じ考え方を紹介しています。

いま思い出せることは何か

ここ一週間で喉が気になったのは、いつ、どこにいたときでしょうか。すぐに答えられなくてもかまいません。

思い出せないこと自体が、記録を始めるきっかけになります。

続いているかどうか

出たり消えたりしているのか、ずっと続いているのか。ずっと続いている場合や、痛み・咳を伴う場合は、記録より先に相談を考えたい状態です。こちらは記事の後半で触れます。

記録すると見えやすくなること

数日前の喉の感じを正確に思い出すのは、意外とむずかしいものです。ここでは、書き残すことで見えやすくなることを3つ挙げます。

気になる時間帯や場所の重なり

何日ぶんか並べてみると、「朝に多い」「会社にいる日に多い」といった重なりに気づくことがあります。記憶だけでは流れてしまう小さな共通点が、紙の上では目に入りやすくなります。

たとえば朝に偏っていると気づいたら、「朝起きたら喉がイガイガするときの考え方と寝室の工夫」のように、時間帯に合った記事を読む手がかりになります。

その前にしていた行動

長く話した、エアコンの部屋にいた、外を歩いた、飲み物をとっていなかった。違和感に気づく前の行動を書き添えておくと、見直すところの候補が見えやすくなります。

ただし、記録に並んだからといって、それが原因だと決まるわけではありません。「重なっているかもしれない」という程度に受け止めておくのがちょうどよい距離感です。

相談するときに伝える材料

専門家に相談するとき、「いつから」「どんなときに」を聞かれて言葉に詰まった経験はないでしょうか。記録があれば、そのまま見せるだけで状況を伝えやすくなります。

鼻の違和感も一緒に気になっている方は、同じメモに並べて書いておくと振り返りやすくなります。「鼻のムズムズと喉のイガイガが同時に気になるとき」もあわせて読んでみてください。

記録は自分で診断するためのものではありません。喉の痛み・咳・熱っぽさ・声のかすれを伴っているときは、記録をつけて様子を見るより、専門家への相談を考えてみてください。

記録の付け方

ここからは具体的な書き方です。決まった正解はありませんが、迷ったら「いつ・どこで・何をしたか」の3つから始めてみてください。

書く項目と書き方の例を表にまとめます。

書く項目

書き方の例

いつ

日付と時間帯(朝・昼・夕方・夜・寝る前)

どこで

寝室・リビング・職場・電車・屋外

何をしたか

長く話した・エアコンをつけていた・掃除をした・外を歩いた

どんな感じか

イガイガ・乾く・ムズムズなど、自分の言葉でひとこと

いつ:時間帯でざっくり書く

時刻まで正確に書く必要はありません。「朝」「夕方」「寝る前」のように、ざっくりした区切りで十分です。

その場で書けないときは、夜にまとめて一行残すだけでもかまいません。

どこで:いた場所を書く

自宅のどの部屋か、職場か、移動中か。場所を書いておくと、あとで部屋の空気や環境を振り返る手がかりになります。

エアコンや暖房をつけていたか、窓を開けていたかも、思い出せる範囲で添えてみてください。空気の乾きと鼻の関わりは「空気の乾燥と鼻のムズムズ:うるおいを保つ工夫」でも触れています。

何をしたか:直前の行動を書く

  • 長く話した、電話や会議が続いた

  • 飲み物をしばらく口にしていなかった

  • 掃除や片づけをした、外を歩いた

  • 前の晩に夜ふかしをした

すべてを書こうとせず、思い当たるものをひとつ書くだけで十分です。

何もなかった日もひとこと残す

気になった日だけでなく、何ともなかった日に「なし」と書いておくと、あとで比べやすくなります。余裕のある日だけでかまいません。

書く道具は、手帳・カレンダーの余白・スマートフォンのメモなど、ふだん使っているもので十分です。自分が開きやすいものを選んでみてください。

続けるためのコツ

記録は、きちんとやろうとするほど続きにくくなります。ここでは負担を小さくする考え方を紹介します。

毎日書こうとしない

毎日欠かさず書こうとすると、書けなかった日に気持ちが重くなります。気になった日だけ書くくらいの気持ちで始めるほうが、長く続けやすいという声もあります。

一行で終わらせる

「火曜・夕方・職場・会議のあと・イガイガ」。これくらいの短さでかまいません。単語を並べるだけなら手間がかかりません。

ときどき見返す

書きっぱなしにせず、週末などに数日ぶんをまとめて眺めてみると、重なりに気づきやすくなります。「とくに偏りはなかった」というのも、ひとつの気づきです。

気を張る予定が続いた週に偏っていた、という場合は「ストレスや生活リズムと鼻水の関係」のように、生活リズムの面から眺めてみるのもひとつの方法です。

気になる状態が続くときは

記録をつけてみたら、ほとんど毎日気になっていた。日を追うごとに強くなっている。痛みや咳を伴うようになった——。

そんなときは記録だけで抱え込まず、耳鼻咽喉科などの専門家に相談することを考えてみてください。受診を考える目安は「鼻の不調が長く続くときは:受診を考える目安」にまとめています。

それまでの記録は、相談のときにそのまま見せられる材料になります。セルフケアと通院の考え方は「セルフケアと通院、どう考える?」でも整理しています。

よくある質問

Q. 記録をつけると喉の違和感は軽くなりますか?

記録そのものが喉の調子を変えるわけではありません。記録は自分の傾向に気づくための習慣であり、体調の変化を約束するものではない点を、まず押さえておいてください。

Q. 何を書けばいいですか?

決まった正解はありませんが、「いつ・どこで・何をしたか」の3つを一行で書くだけで十分です。余裕があれば、どんな感じだったかを自分の言葉でひとこと添えてみてください。

Q. 毎日書けなくても意味はありますか?

あります。気になった日だけの記録でも、何日ぶんか並べば振り返る手がかりになります。毎日続けることを目標にしすぎず、無理のない範囲で取り入れてください。

Q. 紙とスマートフォン、どちらがいいですか?

どちらでもかまいません。大切なのは道具の種類ではなく、気づいたときにすぐ開けるかどうかです。手帳、カレンダーの余白、メモアプリなど、ふだん使っているものから選んでみてください。

Q. 記録は受診のときに役立ちますか?

いつから、どんな場面で気になっていたかという記録は、専門家に状況を伝えるときの手がかりになります。「受診を考える目安」もあわせて確認してみてください。