まず確認したいこと

工夫を考える前に、いまの状態を少しだけ振り返ってみましょう。「どんな場面で気になるか」「どのくらい話した日に強いか」「続いているか」の3点です。

どんな場面で気になるか

店頭や受付での接客、対面の会議、商談、研修や説明会。同じ「話す仕事」でも、場面によって飲み物を口にできる間隔が違います。

この記事が扱うのは、人と向き合って話し続ける場面の喉の乾きと違和感です。

どのくらい話した日に強いか

毎日同じように気になるのか、日によって差があるのかも手がかりになります。次のような日を思い出してみてください。

  • お客さまが途切れず、休憩まで飲み物を口にできなかった日

  • 長い会議や説明で、ひとりで話す時間が長かった日

  • にぎやかな売り場や広い部屋で、声を遠くまで届けようとした日

  • 空調の風が当たる持ち場に、長く立っていた日

思い当たる日があれば、その条件がひとつのヒントになります。

続いているかどうか

忙しかった数日だけの一時的なものか、何週間も続いているのか。期間によって、様子を見るか相談を考えるかの判断も変わってきます。長く続いている場合については、記事の後半で触れます。

話していると喉がイガイガしやすい背景

「黙っているときは平気なのに」と不思議に感じますよね。ここで原因をひとつに断定することはできませんが、よく挙げられる考え方を4つ並べてみます。当てはまるものが複数あることも珍しくありません。

話しているあいだは口から息をする時間が長い

黙っているときは口を閉じていても、話しているあいだは口が開き、言葉の合間に口から息を吸うことが増えます。話す時間が長いほど、喉に空気が直接当たる時間も長くなると言われています。

飲み物を口にできない時間が続く

接客中や会議の進行中は、飲み物に手を伸ばすタイミングがなかなかありません。気がつくと、朝から休憩まで一口も飲んでいなかったという日もあるのではないでしょうか。

持ち場の空気が乾きやすい

出入口の近く、空調の吹き出し口の下、照明の多い売り場。接客の持ち場は、自分では場所を選びにくいうえに、空気が乾きやすい条件が重なることがあります。

乾いた空気のなかで話し続ける日は、喉の乾きを強く感じやすいと言われています。空気の乾燥と鼻の関係については「空気の乾燥と鼻のムズムズ:うるおいを保つ工夫」でも整理しています。

緊張や忙しさが重なっている

大事な商談の前や、初めてのお客さまへの説明。緊張する場面で口の中が乾いたように感じる人もいます。忙しい日は休憩が後ろにずれ、水分も後回しになりがちです。

声のかすれ・声の出しにくさ・喉の痛み・咳・熱っぽさを伴っているときは、この記事の範囲ではありません。声の出し方や発声の練習もこの記事では扱いません。自己判断で工夫を重ねるより、専門家への相談を考えてみてください。

仕事の合間にできる工夫

ここからは、話す仕事の合間に取り入れやすい工夫を紹介します。体の変化を約束するものではなく、仕事の時間を過ごしやすくするための選択肢として、できそうなものから試してみてください。

まず、気になる場面と見直すところを表にまとめます。

こんな場面で気になる

まず見直すところ

接客が途切れず飲めない

飲み物の置き場所・一口のタイミング

会議や説明でひとりで話す

話の区切り・手元の飲み物

風の当たる持ち場に立つ

立ち位置・風向き

忙しくて休憩がずれる

休憩の過ごし方・予定の組み方

飲み物を手の届く場所に置く

  • カウンターの内側やバックヤードの入口など、数歩で届く場所に飲み物を置く

  • ふた付きのボトルにして、こぼす心配を減らす

  • 会議では、資料と一緒に飲み物を席まで持っていく

職場の決まりの範囲で、置き場所を一段近づけてみてください。

一口飲むタイミングを決めておく

「喉が乾いたら飲む」では、忙しい日ほど機会を逃します。お客さまを見送ったあと、レジを打ち終えたあと、議題が変わるときなど、仕事の区切りと一口をセットにしておく方法があります。

量は少しでかまいません。

話の区切りで口を閉じる

相手が話しているあいだ、資料をめくるあいだ、商品を取りに行くあいだ。自分が話していない時間は意外とあります。

そうした時間に口を閉じて、鼻から息をすることを意識してみる。それだけでも、口が開いたままの時間は短くなります。

立ち位置と風向きを見直す

  • 空調の風が顔や喉に直接当たらない位置に、半歩ずれて立つ

  • 動かせる席なら、吹き出し口の真下を避ける

  • 風向きを変えられる設備なら、責任者に相談してみる

エアコンの風と鼻の関係は「エアコンをつけると鼻がムズムズするときにできる工夫」でも触れています。

休憩時間は話さない時間にする

休憩中も同僚とのおしゃべりが続くと、喉を休める時間がなくなります。喉が気になる日は、休憩の最初の数分だけ黙って飲み物を飲む、という過ごし方もあります。

無理をしない

忙しさが続いた週は、いつもより違和感を強く感じることがあります。そんな日は、長い説明を資料に任せるなど、話す量そのものを減らすことも考えてみてください。

「接客が続いた」「会議が長かった」「飲めなかった」など、その日の話した量と喉の感じをセットでメモしておくと、自分の仕事のどこを見直せばよいかが見えやすくなります。

気になる状態が続くときは

合間の工夫を試しても何週間も続いている、話していない日や休みの日にも違和感が残る、声がかすれる、痛みや咳を伴うようになった——。

そんなときは自分だけで判断せず、耳鼻咽喉科などの専門家に相談することを考えてみてください。受診を考える目安は「鼻の不調が長く続くときは:受診を考える目安」にまとめています。

朝起きた直後から喉が気になっている方は「朝起きたら喉がイガイガするときの考え方と寝室の工夫」もあわせて読んでみてください。

よくある質問

Q. 話していると喉がイガイガするのはなぜですか?

この記事で原因をひとつに断定することはできません。話しているあいだは口から息をする時間が長いこと、飲み物を口にできない時間が続くこと、持ち場の空気が乾きやすいこと、緊張や忙しさが、よく挙げられる背景です。複数が重なっていることもあります。

接客の最中に飲めないのは自然なことです。お客さまを見送ったあとなど、仕事の区切りに一口飲むと決めておき、飲み物をすぐ手の届く場所に置いておく方法があります。

対面の会議なら、この記事の内容がそのまま当てはまります。飲み物を席まで持っていく、議題の変わり目に一口飲むといった工夫から試してみてください。

声のかすれや出しにくさ、痛み、咳を伴う場合は、この記事で扱っている「乾きと違和感」とは別の話になります。自己判断で様子を見続けず、「受診を考える目安」を参考に、専門家への相談を検討してください。