まず確認したいこと

工夫を考える前に、「どんな場所で気になるか」「入ってすぐか、しばらくしてからか」「その場所を出ると落ち着くか」を振り返ってみましょう。この3点が分かると、あとの内容が自分に引き寄せやすくなります。

どんな場所で気になるか

実家、祖父母の家、古着屋や古書店、久しぶりに入った部屋など、場所の傾向を思い出してみてください。共通しているのは「ふだん過ごす空間とは違う」という点であることが多いようです。

入ってすぐか、しばらくしてからか

ドアを開けた瞬間から気になるのか、しばらく過ごしてから気になり始めるのかでも、感じ方の手がかりは変わってきます。

その場所を出ると落ち着くか

外に出たり、別の部屋に移動したりすると落ち着くようであれば、その空間特有の何かと関わっている可能性がありそうです。逆に場所を変えても続く場合は、他の要素も一緒に考えてみるとよいかもしれません。

考えられる背景

ここで大切にしたいのは、その場所を「よくない」と決めつけないことです。空間ごとに空気の状態が違うのは自然なことであり、優劣の話ではありません。考えられる要素を並べてみます。

空間ごとに違う換気の頻度

毎日過ごす自分の部屋と、たまにしか行かない場所とでは、窓を開ける頻度や人の出入りの多さが違うことがあります。換気の習慣は住む人・使う人によってさまざまで、どちらが正しいというものではありません。

布製品や紙製品にたまりやすい細かいちり

古い書籍や衣類、カーテンや布張りの家具には、時間をかけて細かいちりが少しずつたまっていくことがあります。これは長く大切に使われてきたものに自然と起こることで、手入れの有無だけで決まるものではありません。掃除や寝具まわりの工夫は「布団や掃除のときの鼻ムズムズとハウスダストの工夫」でも紹介しています。

普段の生活空間との空気の違い

建物の造りや広さ、暖房・冷房の使い方、家族構成によっても、部屋の空気は少しずつ異なります。「違う」というだけで、良し悪しの話ではありません。自分の鼻が、慣れた空気とそうでない空気の違いに反応しているだけ、と捉えておくと気持ちが楽になるかもしれません。

複数の場所で同じように気になる方は、季節や室内の空気全体との付き合い方を振り返るのもひとつの手です。一年を通して気になる場合は「一年中・毎日鼻がムズムズするときに考えたいこと」も参考になります。

日常でできる工夫

ここからは、特定の場所で気になるときに自分でできる準備と、訪問先で気持ちよく過ごすための考え方を紹介します。どちらも、相手の生活空間を変えることを求めるものではありません。

自分でできる準備

  • 訪問前にマスクを携帯しておき、気になったタイミングで取り入れる

  • 長時間の滞在が予想されるときは、短時間だけ外の空気を挟む時間をつくる

  • ハンカチやティッシュなど、鼻まわりを軽くケアできるものを持ち歩く

訪問先での過ごし方

場面

取り入れやすい工夫

実家に長時間いるとき

窓のそばや風通しのよい場所で過ごす時間をつくる

古着屋・古書店での買い物

滞在時間を区切り、短めに切り上げる選択肢を持っておく

久しぶりに入る部屋

入る前に少しドアを開けて空気を入れ替えてから入室する

訪問先への配慮

自分が快適に過ごすための工夫を考えるのと同時に、相手の生活空間への配慮も忘れずにいたいところです。窓を勝手に開けたり、掃除を頼んだりすることは、相手にとって負担になる場合があります。

実家や訪問先の環境を変えることを求めるのではなく、「少し窓を開けてもいいか聞いてみる」程度にとどめ、相手の暮らし方を否定しない姿勢を大切にしてください。

気になる状態が続くときは

特定の場所を離れても違和感が続く、あるいは複数の場所で同じように気になると感じるときは、場所だけの問題ではない可能性もあります。生活に影響が出ていると感じるときは、ひとりで抱え込まず、耳鼻咽喉科などの専門家に相談することを考えてみてください。

相談を考えるタイミングは「鼻の不調が長く続くときは:受診を考える目安」にまとめています。

よくある質問

Q. 実家に帰るたびに鼻がムズムズします。実家の環境が悪いということでしょうか?

そう決めつけることはできません。空間ごとに空気の状態が違うのは自然なことで、良し悪しの問題ではないと考えています。慣れた空気とそうでない空気の違いに、鼻が反応しているだけかもしれません。

布製品や紙製品には時間をかけて細かいちりがたまりやすいと言われています。ただし、これは長く使われてきたものに自然と起こることで、お店の管理が不十分だからとは限りません。

お願いすること自体は問題ありませんが、相手の生活空間や事情への配慮を忘れないようにしましょう。「少し開けてもいいか聞いてみる」程度にとどめ、無理強いしない姿勢が大切です。

マスクだけですべてが変わるわけではありません。短時間だけ外の空気を挟む、滞在時間を区切るなど、複数の工夫を組み合わせてみてください。マスクそのものの当たり方が気になる方は「マスクやメガネと鼻のムズムズ:快適に過ごす工夫」も参考になります。

参考情報

鼻の症状(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)