まず確認したいこと

工夫を考える前に、いまの職場の環境を少しだけ振り返ってみましょう。「席のまわり」「一日の過ごし方」「続いているか」の3点を見ておくと、このあとの内容を自分の席に当てはめやすくなります。

席のまわりはどうなっているか

次のうち、当てはまるものに印をつけてみてください。

  • 空調の吹き出し口が、席の真上や正面にある

  • 窓を開けられない、または一日中閉まっている

  • 加湿器がフロアにない、あっても自分の席から遠い

  • プリンターや複合機のすぐ近くに席がある

一日の過ごし方はどうか

  • 席を立つのは昼休みとトイレくらいで、それ以外は座りっぱなし

  • 飲み物は朝にコーヒーを一杯、あとは気づくと夕方まで飲んでいない

  • 電話や打ち合わせで、声を出す時間が長い

この記事が扱うのは、空調と座りっぱなしという職場の環境が主役の乾きです。声を出す時間が長い日にとくに気になる方は「話していると喉がイガイガするときの工夫(仕事・接客)」、電話やオンライン会議が続く日に気になる方は「電話やオンライン会議が続くと喉が乾くときの工夫」のほうが近い内容です。

続いているかどうか

出社した日だけなのか、在宅の日や休日も同じなのか。長く続いている場合については、記事の後半で触れます。

オフィスで喉が乾きやすい背景

「家では平気なのに、どうして会社だと」と感じますよね。ここで原因をひとつに断定することはできませんが、よく挙げられる考え方を2つ並べてみます。

空調が一日中動いていて、自分で変えられない

オフィスの空調は、フロア全体の温度を一定に保つために朝から夜まで動いていることが多い設備です。事務所など一定規模以上の建物では、厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」で、居室の相対湿度を40%以上70%以下にすることが定められています。窓が開かないビルでは、フロアの湿度はこうした空調の管理にまかされることになります。

ただ、席の位置や風の当たり方によって、乾きの感じ方は変わります。手元に小さな湿度計を置いて、この幅と比べてみるのもひとつの確かめ方です。湿度の見方は「部屋の湿度はどれくらい?喉の乾きが気になる人の湿度の目安と測り方」にまとめています。

自宅なら風向きや設定を変えられますが、職場ではそうはいきません。自宅のエアコンについては「エアコンの部屋で喉が乾く・イガイガするときの工夫」で扱っていて、こちらの記事は設定に手を出せない前提で進めます。

出典: 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」

席を離れにくく、飲む回数が減る

集中して作業していると、飲み物に手を伸ばすことを忘れがちです。喉が乾いたと感じてから給湯室へ立つ、という流れだと、一日の中で飲む回数そのものが少なくなりやすいと言われています。

喉の痛み・咳・熱っぽさ・声のかすれを伴っているときは、この記事の範囲ではありません。自己判断で工夫を重ねるより、専門家への相談を考えてみてください。

席でできる工夫

ここからは、空調に手を出せなくても席まわりで取り入れやすい工夫を紹介します。体の変化を約束するものではなく、オフィスの一日を過ごしやすくするための選択肢として、できそうなものから試してみてください。

まず、気になる場面と見直すところを表にまとめます。

こんな場面で気になる

まず見直すところ

吹き出し口の真下や正面の席にいるとき

風よけ・席の向き・座席の相談

午後になるほど乾いてくる

手元の飲み物・飲むタイミング

フロア全体が乾いていると感じる

卓上の小さな加湿・濡れタオル

座りっぱなしの日

席を立つ回数・短い休憩

風が直接当たらない位置をつくる

  • 吹き出し口の向きを変えられる場合は、体に直接当たらない方向に調整する

  • 変えられない場合は、クリアファイルや市販の風よけを吹き出し口の近くに置けないか、総務や管理担当に相談する

手元の飲み物を切らさない

喉が乾いてから給湯室へ立つのではなく、ふた付きのボトルをデスクに置いておく。それだけで、ひと口飲む回数は自然と増えます。

「席についたら」「打ち合わせが終わったら」というように、行動と一口をセットにしておく方法もあります。何を入れておくかは「喉のうるおいを保ちたいときの飲み物の選び方」で扱っていて、この記事では種類の比較はしません。

卓上でできる小さな加湿

  • USB給電の小さな加湿器を、自分の席の手元に置く(職場のルールを確認したうえで)

  • 濡らしたハンドタオルをデスクの端に広げておく

フロア全体の湿度を変えるのは難しくても、顔まわりの空気だけなら手が届きます。

席を立つ回数を増やす

一時間に一度は立ち上がって給湯室や窓際まで歩く、昼休みに一度ビルの外に出る。同じ空気の中に居続けないという工夫です。

無理をしない

会議続きで席を立てない日もあります。そんな日は、帰宅後に部屋の空気を整えるなど、職場以外の時間で調整するという考え方もあります。

「吹き出し口の真下だった」「午後から乾いた」「ボトルを置いた日は違った」など、席の条件と喉の感じをセットでメモしておくと、職場のどこを見直せばよいかが見えやすくなります。

気になる状態が続くときは

席まわりの工夫を試しても何週間も続いている、休日まで違和感が残るようになってきた、痛みや咳を伴うようになった——。

そんなときは自分だけで判断せず、耳鼻咽喉科などの専門家に相談することを考えてみてください。受診を考える目安は「喉のイガイガが続くときの受診の目安」にまとめています。

鼻のムズムズも一緒に気になっている方は「鼻のムズムズと喉のイガイガが同時に気になるとき」もあわせて読んでみてください。

よくある質問

Q. 会社にいる日だけ喉が乾くのはなぜですか?

窓が開かないフロアで一日中動いている空調のもとで過ごすこと、席を離れにくく飲む回数が減ることが、よく挙げられる背景です。空調の設定は変えられなくても、風の当たり方や手元の飲み物など、席まわりで見直せることがあります。

Q. 空調の設定を変えてもらえない場合はどうすればいいですか?

設定は変えられなくても、吹き出し口の向きや風よけ、席の位置は相談できる範囲のことが多いようです。それも難しい場合は、手元の飲み物や卓上の加湿など、自分の席の中で完結する工夫から試してみてください。

Q. デスクに加湿器を置いても大丈夫ですか?

職場によって、電源や水を扱う機器について決まりがある場合があります。置く前に総務や管理担当に確認してみてください。難しい場合は、濡らしたハンドタオルなど電源を使わない方法もあります。

Q. 電話や会議で話す時間が長い日はとくに乾きます。同じ話ですか?

声を出す時間が長い日の乾きは、合間のとり方という別の視点が加わります。対面の場面は「話していると喉がイガイガするときの工夫(仕事・接客)」、通話の場面は「電話やオンライン会議が続くと喉が乾くときの工夫」で扱っています。

Q. 喉の痛みや咳もあるときはどうすればいいですか?

痛み・咳・熱っぽさを伴う場合は、この記事で扱っている「職場の環境による乾き」とは別の話になります。自己判断で様子を見続けず、「喉のイガイガが続くときの受診の目安」を参考に、専門家への相談を検討してください。