まず確認したいこと

工夫を考える前に、作業中の自分の様子を少し振り返ってみましょう。「どんな作業のときか」「机の上に何があるか」「口元はどうなっているか」の3点を見ておくと、このあとの内容を当てはめやすくなります。

どんな作業のときに気づくか

次のうち、思い当たるものを眺めてみてください。

  • パソコンで資料づくりや入力作業に没頭していたとき

  • スマホで動画や記事、ゲームを長く見ていたとき

  • 読書や勉強、細かい手作業に集中していたとき

  • 締め切り前など、時間に追われていたとき

作業の最中ではなく、区切りがついて顔を上げたときに気づくということもあります。

机の上に飲み物があるか

手の届く場所に飲み物を置いているか、置いていても気づけばほとんど減っていないか。作業の前後で飲み物の量を見比べると、作業中にどれくらい口にしているかがわかります。

口元はどうなっているか

画面を見ているとき、口が少し開いていないか。家族や同僚に「集中すると口が開いている」と言われたことはないか。自分では気づきにくいところなので、ときどき意識を向けてみてください。

場所の空調が気になる方は、行動よりも環境の話が近いかもしれません。職場の空気については「オフィスで一日中喉が乾くときの工夫」で扱っています。

集中していると喉が乾きやすい背景

「座っているだけなのに、なぜ」と不思議に感じますよね。ここで原因をひとつに断定することはできませんが、よく挙げられる考え方を4つ並べてみます。複数が重なっていることもあります。

水を飲むのを忘れやすい

作業に集中していると、喉の乾きを感じても後回しにしたり、そもそも気づかなかったりします。飲み物に手を伸ばすきっかけが減ることが、作業のあとの乾きにつながると考えられています。

口が開いたままになりやすい

画面をのぞき込んだり、考えごとをしたりしているあいだに、口が少し開いたままになっていることがあります。

口が開いていると、口や喉に空気が当たり続けるため、乾いた感じを覚えやすいと言われています。鼻の通りが気になって口で息をしがちな方は、「鼻づまりと口呼吸・いびきの関係」も参考になります。

前かがみの姿勢が続く

画面に顔を近づける、あごが前に出る、背中が丸くなる。集中しているときほど、姿勢は崩れやすくなります。

前かがみに気づいて姿勢を直すときは、口が開いていないかも一緒に確かめると、姿勢と口元を一度に見直せます。

同じ場所の空気の中に長くいる

席を立たずに何時間も作業をすると、そのあいだずっと同じ空気を吸い続けることになります。空調の風が当たる席や、閉め切った部屋では、乾いた感じが重なりやすくなります。

喉の痛み・咳・熱っぽさ・声のかすれを伴っているときは、この記事の範囲ではありません。自己判断で工夫を重ねるより、専門家への相談を考えてみてください。

作業中にできる工夫

ここからは、作業の合間や机まわりで取り入れやすい工夫を紹介します。体の変化を約束するものではなく、作業時間を過ごしやすくするための選択肢として、できそうなものから試してみてください。

まず、気になる場面と見直すところを表にまとめます。

こんなときに気になる

まず見直すところ

作業のあと飲み物が減っていない

飲み物の置き場所・飲むきっかけ

口が開いていると言われる

口元への意識・姿勢

前かがみで長時間作業している

画面と椅子の位置

何時間も席を立たない

休憩・空気の入れ替え

飲み物を目に入る場所に置く

  • 飲み物を画面のすぐ横など、視界に入る場所に置く

  • メールを送ったら一口、ページを変えたら一口など、作業の区切りと結びつける

  • ふた付きのボトルにして、作業中でも倒しにくくする

飲み物の選び方は「喉のうるおいを保ちたいときの飲み物の選び方」で整理しています。飲んでも乾く感じが残る方は「水を飲んでも喉が乾く感じがするときに見直したいこと」もどうぞ。

口元に意識を向ける合図をつくる

口が開いているかどうかは、気づいたときに確かめるしかありません。飲み物を口にするたびに口元も確かめる、画面の端に小さなメモを貼っておくなど、思い出すきっかけをつくってみてください。

画面と姿勢を見直す

  • 画面に顔を近づけすぎないよう、画面の位置や高さを少し調整する

  • 椅子に深く座り、背もたれを使う

  • スマホは顔の前まで持ち上げ、うつむく時間を短くする

区切りで席を立つ

作業の区切りごとに席を立ち、飲み物を取りに行く、窓を開けて空気を入れ替える。同じ姿勢と同じ空気から離れる時間をつくることも、取り入れやすい工夫のひとつです。通話が続く日は「電話やオンライン会議が続くと喉が乾くときの工夫」もあわせて読んでみてください。

「どんな作業を何時間続けたか」「飲み物をどれだけ飲んだか」を一行メモしておくと、自分が乾きやすい作業のパターンが見えやすくなります。書き方は「喉の違和感を記録してみる:いつ・どこで・何をしたか」が参考になります。

気になる状態が続くときは

作業中の工夫を試しても何週間も乾きが続く、作業をしていないときも気になるようになってきた、痛みや咳を伴うようになった——。

そんなときは自分だけで判断せず、耳鼻咽喉科などの専門家に相談することを考えてみてください。受診を考える目安は「喉のイガイガが続くときの受診の目安」にまとめています。

緊張や忙しさが続いている時期に気になるという方は「緊張や気疲れが続くと喉がイガイガするときの考え方」も参考になります。

よくある質問

Q. 集中していると喉が乾くのはなぜですか?

よく挙げられるのは、水を飲むのを忘れること、口が開いたままになること、前かがみの姿勢、同じ空気の中に長くいることです。いくつかが重なっていることもあります。

Q. スマホを見ているときも同じですか?

背景には重なるところがあります。スマホはうつむいた姿勢になりやすいので、顔の前まで持ち上げて見る、ときどき顔を上げて飲み物を口にする、といった工夫から試してみてください。

Q. 作業中はどのくらい水を飲めばいいですか?

「健康のため水を飲もう」推進運動では、のどが渇く前に、こまめに水分をとることが呼びかけられており、ふだんの量にコップ約2杯を足すと一日に必要な量をおおむね確保できるとしています(出典: 「健康のため水を飲もう」推進委員会「「健康のため水を飲もう」推進運動」環境省ウェブサイト掲載)。作業中は量を測るより、作業の区切りごとに一口飲むきっかけをつくることから始めてみてください。体調や持病で水分のとり方に指示がある方は、その指示を優先してください。

Q. 寝ているときも口が開いているかもしれません。

日中の作業中と寝ているあいだでは、見直すところが変わります。鼻がつまって口で息をしている夜は「鼻がつまって口呼吸になる夜、喉がイガイガするときの工夫」、枕や寝る姿勢が気になる方は「枕の高さや寝る姿勢で喉が乾く?寝室で見直したいこと」を参考にしてください。

Q. 喉の痛みや咳もあるときはどうすればいいですか?

痛み・咳・熱っぽさを伴う場合は、この記事で扱っている「作業中の乾き」とは別の話になります。「喉のイガイガが続くときの受診の目安」を参考に、専門家への相談を検討してください。